私は長年、情緒不安定や気分の浮き沈みに悩んできました。
情緒不安定になる理由は行き過ぎた自己否定や自責が癖になっていたからです。
そんな中、著者のTwitterからこの本に出会いました。
読み始めてから1ヶ月、自分でも噓みたいに、癖になってた自己否定から解放されてきています。
SNSや自分の周りを見ても自己肯定感の低さや自己否定、落ち込みやすさで悩んで苦しんでいる人は沢山います。
私の実体験を持って紹介していきますので、どうか心がラクになるきっかけになれば嬉しいです。
目次
『躁鬱大学』とはどんな本?
著者の坂口恭平さんは自身も躁鬱人として気分の波に苦しみながら、生きる技術を探してきた張本人。
画家、執筆家など芸術家を生業としている彼のユニークな活動のひとつに「いのっち電話」があります。
Twitterで自分の携帯番号を全世界に公開し、坂口恭平さん1人で「死にたい、生きていていいのかわからない人」の窓口となっている。この自殺の撲滅運動が「いのっち電話」です。
本書では、そんな坂口恭平さんが躁鬱人に共通する特徴と、ラクになる技術を躁鬱大学の講義として公開しています。
悩んで落ち込んで苦しいとき、ほとんどの人は独りで悩むか心を許せる1人に見せるかで狭い範囲での開示になりますよね。
坂口さんは医者でもカウンセラーでもないですが、10年以上いのっち電話を通して毎日悩んでいる本人達の話を聞いてきた人です。だからこそ、説得力を持って人の気分や悩みについて語れるのです。
生きている上での悩みではなく「生きているという悩み」については誰も口にしません。
そして、僕がやっているいのっちの電話にはこの「生きているという悩み」についての問い合わせだけが毎日かかってくるのです。
つまり、僕は「絶対に人に言えない、生きているという悩みについて、毎日10件くらい相談を受けている」
坂口恭平「躁鬱大学」
まとめると、坂口恭平さんは自身も落ち込みやすい躁鬱人。そして10年以上「生きることへの悩み」を毎日毎日受けています。
坂口恭平さんは、深く悩みやすい人がのびのび健やかに生きていきていく生活の研究者と言えます。
【実体験】躁鬱大学で得られたこと
私がこの本を読みたくなったきっかけは、自己否定をきっかけにはじまる情緒不安定をどうにか変えたかった(改善したかった)からです。
私自身すごく悩みやすいタイプで、よく「気にしい」とか「ネガティブ」と言われます。
一方で元気なときのエネルギーも人一倍大きく、もしかしたら「躁鬱」に近いのかも。とぼんやり思っていました。
共感し、自覚する
本書では躁鬱人の特徴として、自身を躁鬱人のサンプルとして坂口恭平さんの特徴が語られています。

つまり半分くらいは著者の自己紹介と体験が書かれた本
読み進めてびっくりしたのは、想像以上に躁鬱人(坂口さん)の特徴に自分が当てはまっていたこと。
例えば
- 言葉よりも感覚に鋭く、感覚を重視する
- ダラダラしている時間を満喫できず、むしろ病んでくる
- 夜遅く起きているほど虚無感に襲われ病んでくる
- 空気を読むのは得意だが、合わせるばかりは窮屈
- 話の中心になっていないとつまらない
さて、どうでしょうか。あなたにも当てはまるものがありましたか?
私は、自分にとって自己中心的で友達にも話さないような感覚が誰かと共通していたことに衝撃を受けました。
私だけの特徴と思っていたものは、坂口恭平さん自身の特徴でもあれば、躁鬱人に共通する特徴のようなのです。
あなたが嫌いなあなたのその特徴は、一生治らない性格でもなんでもなく、ただ探鬱人特有の癖なんです。すべての躁鬱人に当てはまるものであって、あなただけの問題ではないんです。しかも、躁鬱人としての生き方の術を身につ
ん心地よく改善されていきますし、最終的にはほとんど見えないくらいになります。
坂口恭平「躁鬱大学」
それを自覚した時、共感というよりも仲間を見つけて共鳴したような感覚になりました。
自分を認められた
まるで自分のことが書かれたようなこの本を読んでいると、じわじわと自己否定が収まってきました。
自己肯定感が低い私がずっと出来なかった自分を認めるということが自然と出来るよう変化していきました。
今までひとりで悩んできた私個人のことに対して

それは躁鬱人に共通する特徴です。あなたがダメなんじゃなくて合わない行動をしてただけだよ
と坂口さんははっきり言いきります。
例えば、1人でダラダラすること。
一般的にはリラックスできて休日の醍醐味のような行動ですが、本書によると躁鬱人には体質に合っていない、むしろ鬱に入りやすい行動です。
実際に私は、ダラダラすることに徹した休日は必ず暗い気持ちになっていたため、

自分だけじゃなかったの??
とびっくりしました。今まで、まさかダラダラすることが性に合わないとは考えもせず「私はどうしてすぐ落ちこんでしまうだろう」と悪循環を生んでいました。
本書を読むことで、こういった違和感や感覚を坂口さんと共鳴し、そして自分の特徴として自覚することで少しずつ自己肯定感が上がってきました。
気分の波が緩やかになった
繊細かつ行動的な坂口さんは自分の特徴を研究しているだけでなく、心地よく生活する技術のプロです。
本書にはその技術がたっぷり載っていますから、彼の真似をすればいいだけです。
私が実践している技術はこんなものです。
- 今何したい?と自問自答する
- 生活を多彩にして色々手を出す
- 「きちんと」「ちゃんと」を使わない
- なにかのイチローだと思う
技術はどれもユニークで楽しくなってきます。
特に、「今何したい?と自問自答すること」で、分かりやすく変化がありました。
これは、朝起きてから寝るまでとにかく自分に

今何したい?

次何したい?
と自問自答するというもの。
坂口さんの実際の自問自答が載っているのでまずは真似してみましょう。
毎日この「何したい?」と自分と会話するようになってから、日々の緊張感が変わりました。
もちろん仕事でやらなければならないことや、面倒くさいこともありますが、終わったら何したいか?どんな人になりたいか?などゆっくり考えていけば大丈夫です。
ー次何したい?
ー仕事で凄いって言われたいから、営業電話10件架ける。
ーいいね!やっちゃおうぜ!それは早めに済ませた方が気分が良い?
ーうん。朝一でやりたい。
ーOK!そのあとは何したい?
ー嫌なことこの作業の後にはアイドルの動画見る休憩を入れたい。
ーOK!
こんな調子です。正直に思っていることや感覚をとにかく出していくだけです。
自問自答の途中で「いいね!」など盛り上げたり、「違和感ない?」「気分良い?」と確認もはさみながら、何したいかをベースに一日の生活を決めていきます。
今まで、ビジネス書で見たことのあった「緊急度と重要度」をベースに予定を組んでいましたが、やらなきゃやらなきゃと考えて必要以上に緊張してしまっていました。
ゆっくり自分の声を聞きながら気分よく予定を組む、これだけで同じ行動でも心地良さが全く違います。
こんな感じで坂口さんが実際に心地よく生きるための技術を真似した結果、気分の波が緩やかになってきました。
自分に合わないことを回避しながら、合うことをやっていく、言ってしまえばそれだけですが

自分のことが自分でもわからない!
ともがいていた私にとっては、自分の特徴を攻略し、心地よい過ごし方を自力で見つけるのは到底無理な話でした。
彼が躁鬱人として必死にもがき、いのっち電話で自分と同じように悩んでいる人の声を聞きながら築いてきた技術を真似出来る。
これってめちゃくちゃ有り難いことです。
『躁鬱大学』は気分の波に悩む大切な人に真っ先に送りたい本
躁鬱大学のおかげで私の情緒不安定はかなり治ってきています。
なにより、心地良い生活を自力で送れていることがすごくすごく嬉しいです。
自分への向き合い方も以前より自分に優しくなったし、生活を味わえています。
ちなみに、心が不安定で飽きっぽくて何にも集中できなかったときにも、この本はスラスラ読めました。
とにかく救われました。
大切な人が自分と同じように気分の波に苦しんでいたら真っ先に贈りたい本です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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