森絵都「カラフル」あらすじと感想。中学生でもするする読めるおすすめの小説

森絵都さん「カラフル」


と言いながら表紙はきいろ一色な本書をご紹介します。

紹介する本の特徴

・読みやすく、引き込まれる気持ちいい本
・と同時に考えさせられる本
・後味が良く、森絵都の1冊目に適した本

読みやすさ★★★
(超よみやすい)

あらすじ

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。
だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。
自殺を図った少年、真の体にホームステイし、
自分の罪を思い出さなければならないのだ。
真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが⋯。
不朽の名作ついに登場。

森絵都「カラフル」


冒頭「魂」「天使から与えられたミッション」などファンタジー作品かと思いきや

ぼくの魂が入った真は、平凡そうで複雑な家庭環境にイラつく反抗期真っただ中の少年。


ファンタジーと現実世界のバランスが、わくわくしました。

森絵都「カラフル」の感想

グングン物語の世界に入っていくのが気持ちいい

読書をする人


とにかく読みやすく、読むのが楽しかったです。


設定は面白くても途中で詰まってしまう小説ってありませんか?

私は「ノルウェイの森」、「図書館戦争」などは、
途中途中でページ戻って読み直す必要があります。

文章のテンポと理解するスピードがズレるとすらすら読めません。


「カラフル」は真逆で全く手が止まりませんでした。

森絵都さんは、元々児童文学作家でデビューし数々の児童文学賞の受賞者。

まさに本書は中学生もサクサクいける読みやすさです。


しかも、内容が薄くないので充実感があります。

ペースが乱れずグングン引き込まれる、気持ちよさがありました。

本書から学んだこと「自分を不幸にしている犯人は誰か?」

悩んでいる人


卑屈でイライラしている思春期真っただ中の「真」の変化には、大人にも響くものがあります。

下界に降りたぼくは真の環境を知れば知るほど最悪な気分になります。
自分本位な父、不倫していた母。
意地悪な兄とは嫌い合い、引っ込み思案でクラスの友達は0人。
唯一話しかけてくれた初恋の相手は援助交際相手がいた。


ぼくは世界に裏切られた気分で、全てが不快で、卑屈になっていきます。
しかし、家族やクラスメイトと関わる中で、
人それぞれに弱さや優しさ、苦労を抱えていることを少しずつ知っていきます。


悪い奴が裏ではずっと苦労してきたこと。
能天気でイラつく奴が必死に生きてきたこと。


世界は一面だけで出来てはいないと気づき

卑屈だったぼくは段々と優しく、明るくなっていきます。


状況は変わらなくても「ぼく」の視野が変わったことで世界がカラフルに変わっていくところに

自分を不幸にするのは自分自身かもしれないという学びがありました。


自分の不器用さを痛感したり、人から八つ当たりされると
私ってツイてない!と決めつけてしまうときがあります。

キラキラしてる人とは生きる世界が違うんだ!



でも、同じ満員電車に乗っていても、イライラしてる人も、笑ってる人もいます。

幸せを見つけるよりも、イライラして不幸だと思う方が簡単だし楽です。


「ぼく」が視野を広げて、不幸から抜け出せたように

もっと視野を広げたら幸せに気付けるかもと思いました。

幸せに気付けてないだけかも


総評:森絵都さんの「カラフル」は読みやすくて後味が良い作品


活字に吸い込まれるように、手が止まらなくなる作品です。

「自殺」「生きること」と重めなテーマを扱っていますが、後味はすっきり軽いです。


本書に書かれている「肩の力を抜いて生きるヒント」にグッときました。

ラストシーンに注目してみてください。

読み終わると、

視野を広げたらほんの少し違う景色が見えるかも…!と前向きになれました。


森絵都さんを初めて読む人におすすめの1冊です。



終わり。


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