高校生のころに出会った大好きな本。
かわいくて心の中にしまっておきたい宝石みたいな存在です。
20代半ばになって再読してみると改めてこの本の魅力にも気が付きました。
目次
『High and dry (はつ恋)』あらすじ
夕子は少し変わった親の元に生まれた14歳。
思春期に溢れてくる敏感な感情や感覚が、時々夕子に変なものを見させる。
亡くなった人の幽霊や友達の後ろ浮かぶ親の姿、存在しない生き物・・・
絵画教室に通う夕子はある日、自分にしか見えない”変なもの”を絵の先生キューくんと一緒に見かけるという小さな、でも特別な奇跡が起こり物語が進んでいきます。
2人の中で大切なものを一緒に抱えるようにじわじわと恋が芽生えていく。
キューくんとちょっとずつ心が近くなっていく初恋を経験しながら、夕子の中で小さな奇跡が積み重なっていく。
『High and dry (はつ恋)』の魅力
初恋を経験する夕子の心理描写にときめく
この本の半分くらいは甘酸っぱくて、かわいい恋模様が繊細に表現されています。
きゅううっと苦しくて浮ついているような気持ちになります。
なにがなんでも、なにかの形でこれを人生に組み込まなくちゃ、そういういやしいようなあせりのような、どうしようもない消せない気持ちでいっぱいになったのだ。
『High and dry (はつ恋)』より
速くなんとかしないと、とりかえしのつかないことになってしまう、そういう気持ちだった。
あ、好き。ってわかった瞬間めまぐるしく動いていく心臓、この表現がピッタリ当てはまります。
ところどころ、落ち着いていて大人っぽい夕子に関心させられる場面もありながら、恋心が変化したり、相手からの返信を待ちわびたりするシーンにドキドキ、ときめいてしまいます。
17歳で初めて読んだときも、20代半ばで読んでもときめきは変わりませんでした。ホッ
家族の変化と在り方にあたたかくなる
20代半ばで再読して沁みたのは家族の描写でした。
夕子の家庭ではお父さんの仕事が忙しくなりほとんどアメリカで単身赴任の状態に。
日常の些細な瞬間にお父さんが家にいないことを永遠の別れのように感じて寂しくなったり、
寂しさを処理しきれずやるせなさに苦しむ夕子だったが、ひとまわり歳上のキューくん家族と関わることで夕子の中で家族への向き合い方が変わっていきます。
仕事や学校、趣味の変化 子供の自立…
同じ家にいるのに会える日が少なくなったり…家族の変化はどの家庭にも訪れるものです。
近いからこそ大切なのに、素直になれなかったり、近過ぎてわがままになってしまう そんな経験は誰しもがあるのではないでしょうか?
20代になり、小さい頃や10代の頃、少しずつ家族との関係性が変わってきたため、家族描写が沁みました。
大人になっていく夕子の家族と向き合うシーンでは、自分の家族が浮かんできてあたたかい気持ちになりました。
『High and dry (はつ恋)』感想まとめ
改めて、この本はこんな人におすすめです
- かわいい小説が読みたい人
- ほんわかした気持ちになりたい人
- 瀬尾まいこ、小川糸などが好きな人
- 10〜20代の子供世代
- 30〜40代の親世代
ちょっぴりファンタジーで、でも現実的なお話。
文庫も単行本も挿絵がたっぷりで、初恋のように本当に可愛くて大切にしたくなる本です。
中古なら安い…!!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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